【大胆な金融政策】わかりやすく解説

      2017/07/18

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大胆な金融政策

 

 

アベノミクスの3本の矢の中で、一番今までの政策の中で方向転換が大きく、また株価や雇用に対して回復のベクトルを生み出したのが、この金融緩和政策です。
 
金融緩和とは、日本銀行が市場に供給するお金を増やす事です。
 
従来の金融緩和政策は、日本銀行による『コールレート』と言われる政策金利を下げる事によって市場への資金の供給を調整する政策が主でした。
 
コールレートとは、金融機関同士の金利のレートの事で、これを引き下げると当然、市場に出回る資金は多くなります。
しかし長期に渡り、ニッポン経済はゼロ金利政策を導入しており、またゼロ金利の環境下においてもデフレ経済が続き、市場に出回るお金(マネーストック)は増えませんでした。
 
 
ここでアベノミクスで日本銀行がとった政策が『量的緩和政策』です。

 

 

量的緩和政策

 

この政策は、日本銀行が金利の上げ下げではなく、市中銀行の日銀当座預金にお金を供給していく政策です。
 
これは市中銀行が持っている日本国債を日本銀行が買い取り、その分だけ市中銀行に円を供給する方法です。(買いオペレーション)
他にも、日本の株式(ETF)を買い入れる方法も取られています。

 

 

なぜ第二次安倍内閣が誕生する前から株価が上がり始めたか

 

これが、金融緩和政策の効果を考える上で最も重要です。

 

これは、安倍氏が当時野党の自民党総裁選の公約にて、日本銀行の政策転換を唱えていたからです。

 

これによって、海外と国内の投資家は『いよいよデフレ経済が終わるかもしれない』と思い、未来に期待をして日本株を買い始めたからです。

 

これをインフレ期待と呼びます。

 

 

予想インフレ率の上昇

 

 

この政策転換の予兆にいち早く気づいた投資家が未来に期待をして日本株を買い始めた結果、株価はどんどん上昇し具体的政策が行われていない環境下でも為替も円安方向に転換したのです。

 

そうする事によって、世の中の予想インフレ率が上昇しました。

 

 

当時、安倍自民党総裁は日本銀行に3%の物価上昇率を求める政策を打ち出していたのです。

 

 

実際に行われた大胆な金融緩和

 

そして2013年4月、日本銀行はマネタリーベース(市場に供給するお金)を従来から2倍の270兆円に拡大する金融政策を発表しました。

 

今まで期待によって上昇していた株価が、政策の実行と共に安倍政権誕生以前は1万円以下だった日経平均株価が15942円(2013年5月高値)まで急騰したのです。

 

 

日経平均株価と就業者数

 

 

日本銀行が行った大胆な金融緩和政策を追いかけるようにニッポンの雇用情勢は急速に回復していきました。

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この図は日経平均株価と半年先の就業者数を重ね合わせたグラフです。

 

雇用は遅行指標ですので、株価の状況に少し遅れて反応しますがほぼ一致しているのがお分かり頂けるかと思います。

 

 

株価は、嗅覚の鋭い投資家によって反応し、株価の上昇した企業はその資金で投資を拡大するのです。

 

この投資とは、設備投資の場合もあれば人的投資として雇用にも影響が出てくるのです。

 

 

政府と中央銀行の未来へのコミットメント

 

 

景気は『気』からと良くいわれます。

 

まさしく期待によって景気は良くなる期待を持ち、実際の政策によって本当によくなるです。

 

この記事で特筆したい点は、『本当に景気をよくして必ず未来を明るいものにする』というリーダーのコミットメントがとても重要であるといった点です。

 

失われた20年における日本銀行の失策

 

そして、二度とデフレ不況を深刻なものにしないためにもう一つ書いておきたい事。

 

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2008年リーマンショック後のアメリカ、イギリス中央銀行と日本銀行の政策スタンスの違いがこの図に明確に表れています。

 

リーマンブラザーズが破綻し、アメリカやイギリスが必至で金融緩和を行いデフレに陥らないような政策をとっていた中、日本銀行は何も対処せず、結果として行き過ぎた円高不況がニッポン国内で発生してしまったのです。

 

各国が金融緩和で自国通貨を拡大する中、ニッポン銀行が何もしなければ円高になるのは理に適っていますよね。(日本円に希少性が生まれる為)

 

円高になれば輸出企業が苦しみ、また円の価値が高くなるという事は人々がお金を使わなくなる事は明白です。

 

なぜ人々がお金を使わなくなるかといえば、それが人々にとって合理的だからです。

 

円高は、市場に出回る円の量が少ない状態です。

 

そして、今日の1万円より来年の1万円のほうがより多くのモノが買えるのです。

 

であるならば、当然人々は未来への不安と共にお金を使わずに貯めていくのは当然です。

 

これら一連の流れが、継続的に物価が下落するデフレーションの実態であり、倒産件数、失業率が増え、給料がどんどん下がっていく負のスパイラルの正体なのです。

 

 

大胆な金融緩和政策の成果のすべては、このデフレ期待を大転換させたところにあるといっても過言ではないと思っています。

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