消費税10%は必要か? ~財政問題の真実~

      2017/11/01

スポンサーリンク

誤解されている日本の財政問題

 

2016年6月1日

 

2017年4月に予定されていた10%への消費税増税が2年半の延期を決定したのは記憶に新しい出来事です。

 

当記事を書いているのが2017年の7月ですので、あの時、安倍政権によって増税が延期されなければ今頃は消費税10%だった事でしょう。

 

8%に消費税が増税された悪影響がまだ回復しないまま、10%になっていたと考えたら、背筋がゾッとします。

 

消費増税8%の悪影響はこちらの記事にて記しました。

 

 

増税が国民の消費行動にダメージを与える事は誰もがわかっていると思います。

 

それでも、少子高齢化によって増え続ける社会保障費や、人口減少、日本の借金などを考えると増税は致し方ないのではないか?
まず、当記事では現在叫ばれている消費税増税必要論を検証してみます。

 

 

【検証】

 

消費税を上げなければ、財政規律が保てない

 

財政規律とは

国や地方公共団体において財政が秩序正しく運営され、歳入と歳出のバランスが保たれていること。または、そのための規範や数値目標など。(デジタル大辞泉より引用)

 

 

増税必要論1

 

 

2020年までに政府が基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化させる計画には、消費増税によって歳入を増やす必要がある。

 

プライマリーバランス

 
国の財政収支で、国債などの借入金を除いた税収などによる歳入から、国債の元利払い費など、過去の借入金返済に要する経費を除いた歳出を引いたもののこと。財政安定化の指標となる。基礎的財政収支。PB。(デジタル大辞泉より引用) (シンプルに表現すれば、歳入-歳出です)

 

 

増税必要論2

 

 

日本の財政赤字が1000兆円を超える規模であり、借金に歯止めがかからなくなる。増税をしなければ、社会保障費もまかなえなくなる。

 

 

 

増税必要論1

プライマリーバランスの黒字化について

 

プライマリーバランスの黒字化とは、税収-政府支出を黒字化させる事です。

税収とは、名目GDP×税率×税収弾性値の式で算出されます。

増税によって個人消費が低迷して名目GDPが減ってしまえば、税収は増えないのです。これは、今までの消費増税で証明されています。

 

次に、プライマリーバランスの黒字化そのものは、財政危機に対してはほとんど意義がある数値とは言えません。

 

なぜなら、歳入より歳出が上回っても、ローンを組んだり(新規国債発行)資産を売却したりすれば良いのです。

 

つまり、本来の財政危機の定義は以下のように言えます。

 

国債の新規発行分と名目GDPの比率がどんどん拡大する事。

(個人でいえば、年間の所得に対して新たな借金の額がどんどん増えていくイメージです)

 

 

したがって、財政危機を回避するには、プライマリーバランスに注目するのではなく、名目金利と名目GDP成長率に注目することが大切なのです。

スポンサーリンク

名目金利よりも名目GDP成長率が大きければ、財政危機は回避されます。(個人に例えるならば、ローンの金利よりも、年間の所得の増加率が上回っていれば、問題なくローンを返していけるという事です。)

 

これを公債のドーマー条件と呼びます。

 

つまり、名目GDP成長率をしっかり高めていく事が本来は必要であって、名目GDP成長率を大きく低下させてしまう消費税の増税は、財政規律を守ることへの政策としては愚の骨頂といえるのです。(そもそも財政規律を守ること自体に大きな意味がないことは説明した通りです)

 

したがって、政府が財政規律目標としている、「2020年度のプライマリーバランスの黒字化」も、それ自体が大した意味を持たないのです。

 

 

また、どうやって名目GDPを成長させるかはこちらの記事をご覧ください。

 

 

 

増税必要論2 日本の借金返済と社会保障費について

 

 

すでに、公債のドーマー条件によって、財政危機の回避方法を提示しました。

 

つまり、この1000兆円を超える借金自体にも大した意味がないことがお分かりいただけるのではないでしょうか?

 

大切なのは、名目金利と名目GDPの成長率なのでです。

 

 

また、この1000兆円を超える借金を貸しているのは、外国人ではなく9割が日本人国や日本の金融機関です。【日本国の借金?】わかりやすく解説

 

つまり、日本政府が背負っている借金は、日本国民が貸しているのです。

 

自国通貨建ての国債のデフォルト(債務不履行)は基本的には考えられません。

 

自国通貨は日本銀行がいざとなれば大量に発行して返すことができますし、そもそもこの借金を完済するという事自体、さほど意味がある行為ではないのです。

 

 

 

消費増税10%と日本の未来

 

これでも尚、消費税の増税が叫ばれるのかは、本当のところはよく分かりません。

 

ただ、増税路線を進めている中心は、言うまでもなく財務省でしょう。

 

そこに、政治家やメディアも乗っかり、国民世論すらも増税はやむ負えないといったムードになってしまっているのです。

 

 

しかし、【8%】 消費増税の失敗でも記した通り、景気低迷時での消費増税はたちまち国民の消費意欲を減退させ、物価は下落し、名目GDPを縮小させてしまいます。

 

現状のインフレ率を見る限り、とても景気が拡大しているとは言いがたく、むしろ減税が必要であると思っています。

 

所得税、住民税、法人税、固定資産税・・・etc

 

数ある税金の中でも、消費税とは富める人からも貧しい人からも一律で徴税するという、不公平極まりない税金です。

 

消費税を減らして、累進課税を強化するなど、様々な徴税の手段があるにも関わらず、何故か消費税への増税が世の中では大人気なのです。(実際、日本の高度経済成長期には消費税はありませんし、累進性は現在より高かったのです。)

 

また、メディアは、なぜか財政危機を煽ることに必死になっています(マスコミの劣化と偏向報道)が、この消費増税10%を阻止できるかどうかは今後の日本の未来を大きく左右することでしょう。

 

今後も、さらに詳しく記事にしていきたいと思います。

 

【財務省】 増税に邁進する最強官庁 ≪二つの顔≫

 

【8%】 消費増税の失敗

スポンサーリンク

 - Money, マクロ経済