【がん医療の現在と未来】 マイクロRNA わかりやすく解説

      2017/08/25

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【がん免疫療法】オプジーボ(ニボルマブ)とは?

 

【リンク記事の補足】2017年現在、記事を更新した当時からさらにオプジーボは3月、頭頸部がんにも保険適用範囲を拡大しました。

今後も研究、適用の拡大は進んでいく事を期待しています。

 


がんと遺伝子

 

悪性腫瘍(あくせいしゅよう、英: malignant tumor)は、遺伝子変異によって自律的で制御されない増殖を行うようになった細胞集団(腫瘍)のなかで周囲の組織に浸潤し、または転移を起こす腫瘍である。悪性腫瘍のほとんどは無治療のままだと全身に転移して患者を死に至らしめる[1][2]とされる。

一般にガンがん、英: cancer)、悪性新生物(あくせいしんせいぶつ、英: malignant neoplasm)とも呼ばれる。

wikipediaより引用 (赤字による強調は筆者による)

 

 

私たち人類が、絶え間なく闘っている病気【ガン】

 

 

 

がんは、分裂を繰り返す人間の正常な細胞の遺伝子が突然変異を起こして、人間を攻撃する≪がん細胞≫に変化することによって発病します。

 

 

私たち人間は、知らぬ間に古い細胞から新しい細胞へと新陳代謝を繰り返すことによって生命を維持しています。

 

 

細胞分裂の際、DNAは自分と同じ構造を持つDNAの複製を行い、複製されたDNAは2つの娘細胞に分配されます。この完全コピーにより、生物の体はどの細胞も同じDNAを持つことができるのです。

 

 

この細胞の分裂の際に、DNAの情報を複写する役割をするものが≪RNA≫です。

 

 

遺伝子の本体をなす核酸にはDNARNAの2種があります。

 

 

DNA・・・遺伝子情報を蓄積、保存する働きを持つ。

 

 

RNA・・・DNAに書かれた遺伝子情報を元に細胞を作る働きを持つ。(新しい細胞を作る仲介役)

 

 

ここで示しました「DNA」は、DNA鑑定などの犯罪捜査で使われていたり耳にする機会も多いでしょう。

 

近年がん医療の分野において注目を浴びている物質は、遺伝子の核酸のもう一つの仲介役、≪RNA≫ということです。

 

 

 

 

マイクロRNA とは?

 

 

 

さて、RNAの働きの大枠は把握できたと思いますが、それでは、マイクロRNAとは一体なんなのでしょうか?

 

このマイクロRNAは1993年に発見されましたが、当初は何の役にも立っていないであろうと思われており研究が全く進みませんでした。

 

なぜなら、マイクロRNAは細胞を作り出す働きをしないからです。

 

これでは、確かに他の研究に目が移っても不思議でありません。

 

しかし、あまりに数が多いために、たんぱく質をつくる以外の何か特別な機能があるのではないかと考えられはじめ、時間を経て研究がスタートしました。

 

そうしてマイクロRNAについて、様々な働きが分かってきました。

 

◆他の遺伝子の発現を調節する機能をもつ

 

◆ヒトに2000個ほど存在すると推測される

 

◆遺伝子全体の1/3以上を制御していると予測されている

 

 

そして、細胞ががん化すると、細胞から分泌されるマイクロRNAの種類や量が変化することが分かりました。

 

その結果、このマイクロRNAが非常に有力ながん検査の指標になることが分かってきました。

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がん医療へのマイクロRNAの活用

 

 

前述したとおり、近年研究が急速に進むマイクロRNAは血液検査による早期がんの診断に期待されています。

 

 

こちらは2017年8月20日の日経新聞からの引用記事です。

 

血液1滴でがん13種診断 早期発見へ臨床研究

 

 1滴の血液から13種類のがんの有無を同時に診断できる検査法を国立がん研究センターなどのチームが開発した。がんが分泌する微小な物質を検出する。「腫瘍マーカー」を使う現在の血液検査と比べ発見率が高く、ごく初期のがんも見つけられるのが特長という。

チームはがん患者らを対象とした臨床研究を進め、数年以内に国の承認を得たい考え。センターの落谷孝広・分野長は「患者の体への負担が少ない比較的安価な検査になる。早期発見できれば、より効果的な治療ができ、医療費削減にもつながる」と話している。費用は2万円になる見込み。(中略)

チームは、がんが血中に分泌する「マイクロRNA」と呼ばれる物質に着目。国立がん研究センターや国立長寿医療研究センターなどに冷凍保存されていた約4万3千人の血液を使い、乳がんや大腸がんなど13種類のがんに特徴的なマイクロRNAを調べた。

すると、それぞれのがんに2~10種類の特有のマイクロRNAがあることが判明。分泌量の変化を調べることで、どのがんも95%程度の確率で発見できた。13種類は胃がん、食道がん、肺がん、肝臓がん、胆道がん、膵臓(すいぞう)がん、大腸がん、卵巣がん、前立腺がん、ぼうこうがん、乳がん、肉腫、神経膠腫

人工知能(AI)を分泌量の分析に利用すれば、検査の精度をさらに高められる可能性がある

ただ長期間保存した血液は、マイクロRNAが変質している恐れもある。このため新たにがんと診断された人ら3千人以上の新鮮な血液を採取し、有効かどうかを調べる臨床研究を進める。現段階では一般の人を対象とした研究は予定していない。チームは、まず乳がんの検査法としての承認を目指したいとしている。

(赤文字による強調・リンク記事は筆者による)

 

 

そして、ガンの治療にも大きくマイクロRNAの期待が寄せられています。

 

最新の研究発表では、鳥取大学の研究グループが、悪性度の高い未分化がん細胞に「miR-520d」というヒトのマイクロRNAを導入したところ、正常な細胞に変換できたという成果を発表しています

 

まだマウス実験の段階ですが、がんを死滅させる現在の治療法とは異なり、細胞を元に戻せる可能性が見出されたということで従来のがん治療とは一線を画した治療法です。

 

以下は鳥取大学の研究シリーズHPからの引用です。

 

「がん細胞は正常細胞から発生するが、その細胞に戻ることはできない」、「がんは治らない。」
そのように考えられてきた。しかし癌細胞が正常細胞になることを発見した

特に未分化型肝癌に1種類のマイクロRNAを導入するだけで、幹性誘導を通して癌形質を失わせることを発見した。免疫不全マウスin vivo検討で、(中略)癌細胞が一旦iPS細胞になったことは明瞭である。再生医療として応用できる可能性もあり、担癌患者の体内で癌細胞を発生由来細胞に戻すことで治癒させ得る画期的な癌治療の時代が到来すると予想している。 (赤文字による強調・リンク記事は筆者によるもの)

 

 

≪画期的な癌治療の時代が到来すると予想している≫

 

 

このマイクロRNAに関しては、私自身調べれば調べるほど未来の医療を発展させていく大きな可能性を感じます。

 

特に、がん診断を早期に行う血液検査は実用化が間近に迫っています。

 

初めは乳がんに適用を目指しているとしています。

 

もう少し早く実用化がされていれば、命が助かった人も多い事でしょう。

 

一日も早く、マイクロRNAによるがん診断、治療が実用化され、多くの人が助かる明るい未来が来ることを願っています。

 

 

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